2030年、世界はこうなっている(はず)①
投稿日:2020年01月06日
1.月面基地にようこそ
宇宙飛行士が最後に月面をあとにしたのは、1972年のことだ。当時ほとんどの人は、その後50年にわたって有人月面着陸が行なわれなくなるなど予想もしなかっただろう。だが米航空宇宙局(NASA)いわく、それがようやく変わるのだという。
NASAは2024年に、有人月面着陸を実施しようとしている。しかも今回は、恒久的な滞在を目指しているというのだ。「アルテミス計画」と名づけられたこのプロジェクトの目的は、月面とその周回軌道に人間が恒久的に滞在できる基盤を構築し、ゆくゆくはそれをNASAによる有人火星探査の拠点とすることである。
アルテミス計画が初めて発表されたころは、懐疑的な見方も多かった。NASAが使用するというロケットは初飛行すら完了しておらず、月面ミッションに必要な資金も不足しているなど、条件が整っていなかったのだ。しかしNASAは今年、同計画にとっての大きな一歩を踏み出した。月を周回させる予定の「ルナ・ゲートウェイ」の部品を製造する企業数社を選定したうえ、月面着陸船の設計も募ったのだ。
もしNASAが有人月面着陸を2024年に達成できれば、2030年までに恒久月面基地を建設するのも、さほど飛躍した話ではなくなるだろう