フッ素樹脂(テフロン)加工のPTFEとPFOAの危険性
投稿日:2020年02月16日
PTFE (ポリテトラフルオロエチレン)
PTFE (ポリテトラフルオロエチレン)とは
多くのフッ素樹脂加工で使われている物質をPTFE(Poly Tetra Fluoro Ethylene・ポリテトラフルオロエチレン)といいます。
摩擦係数が小さいという特性があり、多くのフッ素樹脂加工フライパンに使われています。
また調理器具以外にも、実際様々な分野で使用されています。
PTFEの危険性
高温になったPTFEは、有毒ガスを発生させることが報告されています。
フッ素樹脂加工をしたフライパンは230℃で粒子が発生し、360℃で有毒ガスが発生します。
このガスにより、「ポリマーヒューム熱」というインフルエンザに似た症状を引き起こす可能性があります。
ただし、加熱していない状態のPTFEの危険性はありません。
調理器具から剥がれたコーティング片を飲み込んだとしても、吸収されずそのまま体外に排出されるので、人体に影響はないとされています。
PFOA (パーフルオロオクタン酸)
PFOA (パーフルオロオクタン酸)とは
フライパンの表面にPTFEを接着する助剤として、PFOA(Per Fluoro Octanoic Acid・パーフルオロオクタン酸)が使われています。
これは自然界には存在しない、人工的な化学物質です。
PFOAの危険性
2005年、アメリカ合衆国環境保護庁(EPA)により、PFOAにおける危険性の深刻さが指摘されました。
その有毒物質は体内に蓄積され、ガンの発生や、未熟児、奇形児、免疫力低下などを引き起こす可能性があるとしました。
また自然界では分解されずに残留すると考えられており、有害物質として環境汚染が危惧されています。
この対策として、アメリカ合衆国環境保護庁は、2006年、世界の主要フッ素化学メーカー8社と連携し、スチュワードシッププログラムとよばれるPFOA自主削減プログラムを開始しました。
これは2010年までに95%削減、2015年までに全廃を目指すものです。
プログラムの内容は以下。
1) PFOA、もしくは分解してPFOAを発生する前駆体物質、およびC8より炭素数の多い類縁物質の、工場から環境中への排出量、製品中含有量の両方について、2010年に基準年比95%削減すること。
2) PFOA、もしくは分解してPFOAを発生する前駆体物質、およびC8より炭素数の多い類縁物質を2015年に全廃することに対する努力を行うこと(Working toward the elimination)を約束すること。
【フッ素化学メーカー8社】
デュポン(現ケマーズ)、3M/ダイネオン、旭硝子、ソルベイ・ソレキシス(現ソルベイ・スペシャルティー・ポリマーズ)、アルケマ、クラリアント(現アークローマ)、チバ・スペシャルティー・ケミカル(現BASF)、ダイキン工業